先日、「住宅展示場では教えてくれない本当のこと。」という本の執筆者である、澤田升男氏のセミナーに参加してきました。
色々と勉強になりましたので、こちらに綴っていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
参加のきっかけ
今回、このセミナー参加のきっかけは、「住宅展示場では教えてくれない本当のこと。」という本の広告が新聞に載っているのを義母から教えられたことでした。
当時、自宅購入に向け家作りについてリサーチを始めたばかりで、特に『耐震性』に対する不安から、大手ハウスメーカーを中心に知識を深めている時でした。
そんな折に「住宅展示場では教えてくれない本当のこと。」という表題は大変衝撃的でした。義母が送ってくれた画像をよく見ると、近々セミナーがあるとのこと。『善は急げ!』ということで早速セミナーに申込みをし、参加をすることにしたのです。
澤田升男氏とは
私自身、失礼ながら今回初めてお名前を拝見しました。
今回新聞に載っていた『住宅展示場では教えてくれない本当のこと。』という著書を始め、何冊か出版されていらっしゃいます。
澤田升男氏プロフィール
23歳で父親の経営する工務店を継承し、継承後僅か2年で売上2千万の工務店を10億円企業に成長させる。
その後、住宅ノウハウ、輸入資材販売会社を設立し、全国1000社の工務店を傘下にする巨大ネットワークグループを形成し、グループ売上70億、経常利益10億ほどの超優良企業を築きあげる。
しかし、世の中に本物の住宅を広めるためには、業しては広まらないとの想いで、グループ企業を売却する。
会社売却後は、経営コンサルタントとして建築だけではなく、医療から食品、農業等の様々な業種をコンサルとして支援し、多数が赤字企業から数年で経常利益1億円の会社と成長させ、お金儲けの天才言われるも、あまりにも行き過ぎた現代の資本主義思考の警告の為、現在はボランティアに重きを置く。
年間100回以上の無料セミナー、執筆活動等でユーザーの為になる本物の住宅普及活動を展開している。
引用:澤田塾HPより
著書やホームページを拝見したところ、大手ハウスメーカーとは対極の考え方をお持ちであることがわかりました。
セミナー概要
セミナーの概要です。
主に、ハウスメーカーで作る家がいかに身体に有害であるか、というお話で、
大項目は、
- 現在のハウスメーカーの家づくりについて
- 新建材の使用について:建材をつなぐ接着剤・壁・床等
- 機械化について:オール電化・ZEH等
- 高気密について:ペンキ・ゴム・クロス等
- 「0宣言の家」の特徴について
といった内容でした。各々の内容や感想を綴って行きたいと思います。
感想①『現在のハウスメーカーの家づくりについて』
まず最初に、日本における建築業界の現状についてお話がありました。
バブル期と比較し、戸建の建築件数が減っているのは周知の事実ではあります。
実際はバブル期の半数程度の供給になっていると聞き、厳しい現状であることは理解できました。
『供給量が減っている為、壊れやすい家を作ってリフォーム等で収益を上げる必要がある』
というのが澤田氏の仰る内容でした。
数が減っているのであれば、単純に一軒あたりの収益を上げなければいけないと言うのは、確かに根拠があるように感じました。
感想②『新建材の使用について』
次に『新建材の使用について』でした。
内容は、
海外では決して使用されない『接着剤や合板』などのいわゆる『工業化製品』を使っている為、劣化しやすい 日本では、『建材』として、 海外ではそうした工業化製品を使用しているという事実が笑われてしまう 『工業化製品』を使っている為に、日本の住宅は寿命が短く、海外の住宅は何十年、何百年と長持ちする
ということでした。
確かに工業化製品に依存せざるを得ない現状であり、接着剤や合板等を使わずに住宅が作れる事が理想なのかもしれません。
しかし、日本が「地震大国」であるということは、海外との最大の違いであると思います。その為、地震に強い家、「耐震性に優れた家」を作る必要があったのではないでしょうか。実際に海外ではレンガや石で作られた家を見ます。記憶に新しい「東日本大震災」では、レンガが崩れている家は多く、地震に弱い印象を受けました。
澤田氏の話を聞いて、日本の新建材は、「地震大国日本」で、『地震に強い家』を作る為に、独自に発達してきた建築方法であるのではないかと感じました。
感想③『機械化について』
続いて、『住宅製品の機械化』についてでした。
現在の日本住宅の方向性として、「ZEH」というものがあります。
これはどこのハウスメーカーさんに行っても説明を受けることだったので、私も知っていました。
澤田氏は、
『機械製品』を売りつけることである 『ZEH』自体が、エコキュートやエコジョーズ、蓄熱機等の 取り換えやメンテナンスに何百万という資金がかかってくる 機械製品は10年でガタがくる為、
と仰っていました。
このお話には私も納得する部分がありました。
電化製品の経年劣化は避けられず、「寿命」があると思います。
一般的に私たちが日頃使っているような電化製品も平均的な寿命は10年前後と言われていることもあり、エコキュートやエコジョーズ等の機械製品がそれに該当しないとは考えにくいと思います。
勿論、寿命が10年であるかどうかはわかりませんが、少なくとも30年もつと考えるのは難しいのではないかと思います。
昔からあって改良を重ねてきた製品であればまだ分かるのですが、新しい種類の製品であることからも、不具合や寿命などが想定しにくい点があると思います。
しかし、地球規模の話になると、エネルギー資源や地球環境の問題もある為、勿論必要な政策であることは確かです。住宅設備の機械化への投資は慎重に考える必要があると思いました。
感想④『高気密について』
最後に住宅の高気密化についてです。
高気密を得る為に、ビニールやペンキを使用し、木が呼吸できないようにしている 現在の住宅は、 木そのものが呼吸をする為、夏は涼しく冬は暖かい。木は年月を経ると強度が増していく為壊れにくくなっていく。 日本の昔の建築物(寺等)は木を生かした住宅であり、 しかし現在の住宅はこの呼吸を止めてしまっている為、木は劣化し壊れやすくなっている
ということでした。
確かに日本古来の建築物は強固でたくましく、地震の多い日本で今も残っているという建築様式は本当に素晴らしいと思います。
しかし、現在の日本で、こうした建物を構成している太くてしっかりとした木を得ることが出来るのか、出来たとしても、相当な金額になってしまうと思われること。
また、相当な建築技術や施工人数を必要とすると思われ、職人さんが減少している現状では困難であると思われることから、古来の建築物との比較は、妥当性に欠けるといった印象を受けました。
まとめ
澤田氏のセミナー内容は、ハウスメーカーを完全に否定する内容であった為、私個人としては、対極の意見を聞くことができたことは大変勉強になりました。
建材や塗料、内装材、接着剤等のホルムアルデヒド発散速度区分である「フォースター」は安全基準の一つであると解釈していましたが、実際には制限仕切れていない成分があることは把握していませんでした。
また、各ハウスメーカーの比較ポイントである「長期優良住宅」「ZEH」「耐震性」等についても、教えてもらうがままになっており、自分自身でしっかり理解し説明できるレベルにはなっていないことを実感しました。
今回のセミナーを受けて、現在検討中のハウスメーカー、ミサワホームの営業マンさんにセミナーの内容についてお伝えし、ご回答頂きました。その内容に関してはこちら↓の記事をご覧ください。
以上、澤田升男氏のセミナーに行ってきた感想でした。
最後までご覧頂きありがとうございました。
※あくまで私個人の感想です。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
貴殿の記事を拝見いたしました。
このセミナー、私も専門家として参加したことがございます。
私が参加した時は十人程度の少人数でしたが講義されている本人は、専門家に対しては鼻が利くのかこちらを見ずに説明をされていたような印象でした。
内容に関しては、すべてが正しいというわけではありませんでした。
ハウスメーカーと対局の立場をとる必要があるために今では過去の話題を進行形で話をされているところが残念だったように感じました。
特に高気密の考え方に関しては、古すぎました。
ミサワホームでご建築されるとのことですから、この高断熱化と施工精度における気密度の上昇に関しては、事実を知ればこのセミナーのような話し方はできなくなりますが、残念ながらミサワホーム自身が自分達の実力の大きさを知り得ていないという残念な部分もある関係上、一般的な話になるとこのような言い方になるのかもしれません。
これから建築を始められると思いますので、再度確認されてもらいたい点が山のようにあります。
一般個人だと思いますので、目に見える装飾部に関しては、充分に住まいづくりを堪能されていただきたと存じますが、住宅性能部と施工精度、耐久力と家内部空気環境のコントロールに関しては、専門分野ですからミサワホームの建築士や設計士任せでは問題が出る可能性があることもご注意ください。
私のブログがその助けになると思いますし、また、弊社の名前を挙げて、同じようにしてほしいというのもミサワホームにおいては有効です。
自宅建築は、一般の方に置かれましては、生涯最大の投資であるだけではなく、生涯にわたり住む必要のある大きな買い物です。また、メンテナンスをして、住み続ける上において施工精度は大変重要です。
私のブログは記事が大変多いですが、時間をかけてじっくりとお読みいただき、是非、ご自身の住まいづくり計画にお役立てください。
素晴らしいマイホーム計画になることを願っておりますし、応援しております。
ながながと書いてしまいましたことをお詫びいたしますと同時に不適切な内容だとご判断された場合は、削除のほど、お願いいたします。
オカモト企画様
初めまして。大変貴重なご意見をありがとうございます。
また、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
貴社のブログを拝見いたしました。
今後の家作りにおいて、参考にさせて頂きます。
ありがとうございます。