先日、新聞に載っていた澤田升男氏の「住宅展示場では教えてくれない本当のこと」というセミナー広告を見て、実際にセミナーに参加してきました。その内容に関しては、こちら↓の記事をご覧ください。
そのセミナーでは、ハウスメーカーとは真逆の考え方を知ることになりました。
特に我々が疑問に感じた点は
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「バブル期と比較し、戸建の建築件数が減っている為、壊れやすい家を作って、リフォーム等で収益を上げる必要がある」という点について
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「新建材の使用」に伴うシックハウス症候群について
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「機械化(床暖房等)」を進める事でメンテナンス費用が嵩むという点について
- 「高気密住宅」にすることで本来の木の呼吸を止め、劣化を進める要因を作っているという点について
の4つです。
疑問を抱えたまま、家作りを進めるわけには行かないので、
澤田氏のセミナーでの内容に対してのミサワホーム営業マンさんの考えを伺ってみました。
本日はその内容に関して綴りたいと思います。
どうぞお付き合いください。
「壊れやすい家を作っている」点について
「バブル期と比較し、戸建の建築件数が減っている為、壊れやすい家を作って、リフォーム等で収益を上げる必要がある」という点に関しては、聞く前に自分で色々と調べました。
人口減少に伴い、戸建の建築件数が減っていくことは周知の事実であり、大手企業であればそれに対する戦略も進んでいます。
例えば海外建築への進出です。
住宅メーカーの海外進出から見えてくる日本の不動産市場の将来(LIFULLHOME’S HP)
日本企業の海外進出パターン(株式会社リブコンサルティング住宅事業HP)
建築だけでなく、建築事業を中心とした周辺事業もまた海外に展開しているようです。
澤田氏のセミナーでは、「日本の住宅は海外では笑われてしまう」というお話もありましたが、堅実で正確な住宅という点におけるニーズもあるとは思うので、一概には言えないのではないかと思います。
「新建材の使用」について
澤田氏が言う新建材とは、主に接着剤の化学物質です。
日本で一時問題となった「シックハウス症候群」ですが、これの原因は接着剤の成分である「ホルムアルデヒド」です。
今はこのホルムアルデヒド等を制限する制度が作られてはいますが、化学物質が使われていることは事実です。
これに関しての見解を単刀直入に伺いました。
営業マンさんの回答は、
・澤田氏の回答は一理ある。
・勿論化学物質を使っていることは事実である。
・「シックハウス症候群」に対しての対策は進んでおり、現在は全く話を聞いたことがない。
・それでも敏感な方や化学物質などに抵抗がある方は、自然素材の家に拘った家を選ぶ必要がある
ということでした。「絶対に大丈夫です!」とか前向き過ぎる回答ではなかったことが逆に安心できました。そういうリスクは極力少ないけれども、ゼロではない、ということです。そういったデメリット(?)も踏まえた上で、どういった建築会社を選ぶかは、最後は選択する側の考え方次第なのだと思います。
「機械化」によるメンテナンス費用の増大について
次に機械製品の寿命は大体10年前後で、取替に費用がかさむリスクについてです。
これに関しての回答は、
・機械製品はやはり寿命はある
・床暖房はそのタイプ(ガス・電気)等にもよるが、10年程度でメンテナンスが必要になる
・メンテナンス費用は一般的に10万円前後
・機械製品なので、「故障」のリスクはあり、その場合は多額の費用が必要
・営業マンさんの家は床暖房を導入せずにカーペットを使用している
・メンテナンスの費用を考えるのであれば、導入しない選択肢もある
ということでした。
聞いてみてその通りだなと感じますし、機械化自体が100%優れたものというわけでなく、機械製品を選択する上では故障のリスクは必ず伴ってきます。機械製品なので勿論メンテナンス費用もかかります。こうした点を踏まえた上で、導入の可否を選択しなければいけないのだと改めて感じました。
「高気密」による木材の劣化促進について
最後に日本古来の建築物(寺など)は木そのものを生かした住宅であるが、現在の家は高気密を得るために木が呼吸できないようにしている、という点について伺いました。
営業マンさんの回答は、
・古来の建築物は確かに素晴らしいが、素晴らしい建築物を作る事の出来る技術を持ち合わせた職人がいた。
・現在は技術者自体が不足しており、何処でも同水準の家を提供するということが、古来のやり方では困難。
・結果的に、どこでも一定水準の家を作る事のできるシステム作りが必要
・古来の建築技術を持つ職人さんを探し、見合った建材を集めて家を建てるとなると、時間も費用も莫大になる為、結果的に現実的ではない
ということでした。この点が個人的には1番納得のいった部分だったかと思います。
ハウスメーカーにお願いする上で1番心配なのは、下請けの大工さんによって、仕上がりに差が出てしまうことだと思います。そのリスクを最小限にすることができるのが、ハウスメーカーのシステムであり、それが安心材料にもなるのだと思いました。
ここまでの回答を受けて
営業マンさんの回答は、全面的にハウスメーカーを肯定するわけではなく、
自信を持っていることや根拠、選択肢をしっかりと説明いただけたことで、大変納得することができました。
澤田氏の言っていることも勿論現在の日本住宅のいち側面であり、「ハウスメーカーだからなんでも大丈夫」と鵜呑みにするのではなく、
リスクやメリットデメリットを把握しておくことが重要であると感じました。
把握した上で、両者のメリット・デメリットをどう解釈し、どういった選択をしていくかは、我々消費者の考え方次第なのだと思います。
以上、澤田氏のセミナー内容に関するミサワホーム営業マンさんの回答でした。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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